住友生命裁判が和解で決着した事を受け、CM音楽制作の現場では、作曲家との契約が非常にきっちりと行われるようになったと、最近かつて取引のあったプロダクションの社長から聞いた。
自分の起こした行動が、変革の礎となったのは喜ばしいが、再使用や、使用延長など再契約時に発生する、作家への報酬は、殆どの場合、代理店が立て替える形で支払われているというのはちと頂けない。
作家にしてみれば、どこが払おうがあまり問題ではないのかも知れないが、私は本来、その楽曲を使用するクライアント企業が、その費用を負担するべきではないかと思うがどうか。
そう思えばこそ、私も代理店相手ではなく、直接広告主と争ったのである(勿論それだけが理由ではないけれど)。
しかし、あの裁判があったことにより、いままでは場当たり的に、適当に処理されていたこの問題に、ルールのようなものが出来、個別にきちんと処理されるようになったのは、将来に向けて、良い兆しと言えるのかも知れない。これが東京だけでなく、全国に浸透してくれればよいのだけれど。
その一方で、あまりに日本的というか、いかにも村社会的な問題も発生している。あの裁判で私の側に立ってくれたプロダクションなどが、その後仕事を取り難くなっているというのだ。
私自身が、あの裁判を起こせば、この業界で仕事が出来なくなるだろうと言うのは、覚悟の上であり、事実そうなったことに対しての恨み言を言うつもりもない。が、第三者までとばっちりを受けるとなると話が違う。あまりの未開野蛮なその風習に、ただ呆れるのみで言葉が出ない。
証拠となる数々の資料を提供してくれた作曲家諸氏に、とばっちりが及んでいないことを、ひたすら祈るのみである。極力個人名は出ないよう、努力したつもりではあるが、中には堂々と名前を出して協力して下さった方もいるので、その辺が気になるところだ。
2007年08月16日
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会社は小規模な広告会社ですが、40年程前にある食品メーカーのサウンドロゴ(orジングル)をラジオCMとして流し、後にTVCMの終わりにも結合して放送しておりました。後に扱いが切れ、s先方はそれ以降もその音素材を手直ししては使うこともありながら、弊社もあきらめて放置していました。今年になってCMを原点帰りして制作するにあたり、TVCMのイメージ踏襲、サウンドロゴのコメント変更しての使用許諾を求める申し入れがあり、制作することへの許諾はしたものの、楽曲使用については有償申し入れをし、先方が検討するといったまま実際の放送を迎えることになりました。弊社社長兼制作者(コピーライター)が、貴方様の事例を参考に、音楽著作権の財産権を行使すべく先方に申し入れしたいと考えておりますが、生方様の和解がどのようになされたのか、公表できることはここまで、という文面は拝読しましたが、交渉にあたり留意する点など参考ご意見等を賜る事ができれば、と思いご連絡する次第です。ご多忙の折、また古い話題につき恐縮ですがお聞き届け頂ければ幸甚です。http://blog.sakura.ne.jp/tb/5049727