ホテルを出る時、急ぐからとフリーの朝食を断った私に、TGVの時間聞いて、充分間に合うから食べて行けと強く薦めてくれたホテルの親父さんに従ったのと、途中の地下鉄で、どっち方面行きに乗っていいか判らず途方に暮れていた中国人女性に行き先案内したのも、結果として時間のロスになってしまいました。ま、後悔はしてませんが。
ようやくホームを探し当て、目当てのTGVをホームに発見した時は、発車2分前。全速力で走って・・・なんと、列車は予定より1分早く発車してしまいました。早く出るか普通? ホームにいた駅員に英語で文句言ったら「満席だったから早く出たんじゃないかなー」ですと。
出てしまったものは仕方ないしグルノーブル行きはその後しばらく無いのでとりあえずリヨンへ向かい、そこでローカル線に乗り換えることにしました。
1番ホールから発車のリヨン行きTGVに乗り、一息ついたら検札がやって来ました。チケットを見せ、乗る予定の列車が予定時間より早く出たことを車掌に告げると「それは不運でしたねー。でもこのチケット(行き先の会社が送ってきたチケット)は変更不可のタイプです。新たに買い直してもらわないと行けませんね。90ユーロです」出てしまったものは仕方ないしグルノーブル行きはその後しばらく無いのでとりあえずリヨンへ向かい、そこでローカル線に乗り換えることにしました。
えっ!?・・・・・90ユーロ・・・・
「そんな金持ってませんが」私
「クレジットカードでもいいですよ」
「クレジットカードは、今月もう限度額いっぱいです(これは嘘です。月末だったので、咄嗟に出ましたw)」
「では今いくら持ってますか?」
「20ユーロです(本当)」
「じゃあそれでいいです」
???????????
10ユーロ札二枚を車掌に渡す私。しばらくして車掌は戻ってきて、領収書と5ユーロ札を私に渡します。
「この5ユーロはなんですか?」と私。
「20ユーロ全部払ってしまったらその後困るでしょうから、5ユーロお返しします」
「ああどうもありがとうございます(!!!!?????)」
私、多分この瞬間にフランスがとても好きになったかもしれません。文字通り、なんとも現金な話ですが・・・・
リヨンを経由してどうにかグルノーブルにたどり着き、そこからもう一波乱あってようやく目的地へ。実はこの会社、2007年に一度訪れているのですが(たまたまツアーでフランスに来て、その時既に付き合いがあったので表敬訪問した)、プレハブの安っぽい社屋はそのまま、でも、2年前とは会社のメンバーがだいぶ入れ替わっていました(これ、伏線)。
とりあえずその日は挨拶と、自分に充てがわれたオフィスの確認のみで、これからひと月ちょっとを過ごすことになる、その会社から然程遠くない場所にある、キッチン付きの滞在型ホテルへ案内され、その近くの、ヨーロッパでも最大規模のスーパー、カルフールで食材や酒を買い込み、その夜はそこのレストランでのんびりとディナーを楽しみ、翌日から人生初めての本格的海外一人暮らしが本格的に始まると言う緊張感も然程感じないまま、部屋でワイン飲んでフランス語に吹き替えられた「LOST」の違和感に苦笑していました。
さて翌朝、徒歩で30分かかる距離ではありますが、まあとにかく初秋の美しいアルプスの景色を眺めながら歩くのは気持ちいいので、徒歩で会社に向かい、人生始めての会社勤めライフがいよいよスタートします。(以下次号)
さて翌朝、徒歩で30分かかる距離ではありますが、まあとにかく初秋の美しいアルプスの景色を眺めながら歩くのは気持ちいいので、徒歩で会社に向かい、人生始めての会社勤めライフがいよいよスタートします。(以下次号)