記憶を手繰ると瞼の裏には、幼い自分と若かりし頃の父親の姿が。
「シャラーップ!」よく父がふざけて言うのだ。普段父は家の中で英語なぞ話さない。英語の歌が好きで良くエーデルワイスとか歌ってたけど。でもこのシャラップはどこから?
更に記憶を手繰って思い出した。それはプロレス中継。
昭和40年台は、プロレスはまだ国民的娯楽で、テレビ中継は高視聴率。試合と試合の間には何故か、「風神」という電気掃除機でリングを掃除するというセレモニーが放送される。なんで掃除機かというと、もちろん家電メーカーがスポンサーだからだ。
このプロレスの試合中、外人悪役レスラーが、多分フレッド・ブラッシーだったと思うが、在りし日のジャイアント馬場や豊登など日本人レスラーへ声援を送る観客席に向かって「シャラーップ!」をしきりに連発し、これが流行したのだ。
さて、上田大使に戻ろう。動画で演説を聞く限り、大使の発音は実に日本人的な、日本語訛りの英語。ヴァと発音すべきところはくっきりと、バになってるし、RとLが同じ発音になってる。それはいい、全然問題ない。
気になったのは、何故Shut upだけが、シャラップ、しかもラが少し伸びてシャラーップ、に近いのか。
英語の米語的訛化(合州国全てではないようだが)によってWaterがワーラー、Littleがリルウ、Laterがレイラーに聞こえるように、Shut upは米語的にはシャラップでいいのだけれど、彼の他の発音にそんな米語的訛化の影響は、ない。
かねてよりアメリカの西部劇や戦争映画(シャラップが連発されるのは大体この二種類の映画)が大好きで、これらの映画にハマって英語の発音が影響されるほど、原語で繰り返し観ていたいたとしたら、他の言葉も米式になっているはずなのだ。
そんな訳で、彼のあのシャラッープは、悪役外人プロレスラーの影響、とほぼ確信を持って推察するものであります。まあ、どうでも良いことなんですが。
しかしあれです。既にあちこちで言われていますが、Shut up なんて、覚えても一生使わないかもしれない言葉の一つ。非常に強い命令形で、例えば学校で教師が、騒ぐ生徒を沈める時だって恐らく使いません。普通は「Silence!(静かに!)」
現実にありうるのは、しょーもないことをいつまでも言い続けるダンナに奥さんが使ったり(逆は絶対にやらないほうがいい、きっとえらい目に合う)、口答えする子供を叱る親が使ったり、親しい間柄でふざけて使うとか、そんな程度。
シリアスな場面では、口答えする下級兵に上官がとか(戦争映画ね)、保安官がチンピラにとか(西部劇ね)。看守が囚人にっていうのもあるかも。場合によっては喧嘩を誘発するかもしれないほど強い言葉です。
もひとつ考えられるのが、拷問する側がされる側に使う場面。。。。
これを元に、さらなるリミックスを作ったり、動画に当てたりして、どんどん広めてもらえたら幸いです。